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選手インタビュー2022

りかです!みんな、元気?
この夏、山梨県馬術競技場で行われた「全日本ジュニア総合馬術大会2022」。1日目の馬場馬術、2日目のクロスカントリー、3日目の障害馬術。10歳~16歳がエントリー可能なチルドレンライダー選手権と、14~18歳がエントリー可能なジュニアライダー選手権、3日間を走りぬいたそれぞれのチャンピオンのふたりにインタビューしてきたよ!

《全日本ジュニア総合》ジュニアライダー選手権 1位伊丹媛香選手&メイショウブユウ

ひとりめは、昨年に続いてのジュニアライダー選手権優勝、伊丹媛香(いたみひめか)選手とメイショウブユウ、それに媛香選手のお母さんにお話を聞いたよ。
クロスカントリーではコンビを組むメイショウブユウとの息がそれはもうぴったりで、カッコよくて目が離せなかった~!

りか

2連覇、おめでとうございます!3日間、いかがでしたか?

伊丹媛香選手

ありがとうございます!無事に走り切れてほっとしました。
パートナー馬のメイショウブユウ、いつもブユウって呼んでいるんですけれども、ここまで連れてきてくれたブユウには感謝しています。

りか

ブユウはどんな子ですか?

伊丹媛香選手

ブユウはもともと障害だけやっていた子で、私と一緒に馬場を始めてその後総合にデビューしたんですけれども、最初から「もう出来上がっているような子だなぁ」という印象を受けるくらい、師匠というか先生というか、私をひっぱってくれる相棒です。

りか

頼りになる相棒ですね!
最初の種目の馬場馬術はどうでしたか?見事、自己ベストでしたね!

伊丹媛香選手

ありがとうございます。すごい緊張感で、硬くなってしまった中でも高い点数が出たっていうのは、練習の成果が出たと思っていて、とてもうれしいです。
去年のジュニア選手権のときもブユウとのコンビで臨んだんですけれども、馬に対して積極的に指示を出すことができなかったんです。今年はいかに馬の柔軟性を引き出しながら綺麗にワザを描けるか、など、規定の演技をしっかり見せて、積極的に馬の良さを引き出せるよう意識しました。

りか

クロスカントリーでは障害物を飛び越えるときに「ハイッ!」て、すっごい大きな声が聞こえました。気合いが入っていましたね!すごく格好良かったです。

伊丹媛香選手

クロスカントリーでは馬も私も苦手なタイプの障害物があったので、そこだけ大きい声を出しました(笑)。自分自身へ向けて、気持ちを入れるために。初日の馬場馬術が終わって、自己ベストではあったんですけれどもちょっと順位が出遅れちゃって。でもやっぱり勝ちたいから、もうこれ以上の減点は許されないな、と気持ちを高めてクロスカントリーは走っていたので、思わず気合が入っていたのかもしれません。

りか

スタートから猛ダッシュでしたね!
私は今回、初めてクロスカントリーを観戦したんですが、クロスカントリーの障害は、手前の障害物で着地する場所が見えなかったり、飛び越えて着地するところが下り坂だったりするんですね。びっくりしました!

伊丹媛香選手

正直、怖さはあります。でも、飛ぶときの気持ちというか、怖さを乗り越えて馬と一緒に飛ぶ爽快感はほかにないものですし、馬によってこれは苦手っていう障害はあるんですけど、そこをうまく抜けられたときの気持ちは最高ですね。いっぱい馬の上で考えながら、ベストのコース取りができたときとかは、思わず「よっしゃ!」って心の中でガッツポーズをしてます(笑)。

りか

ブユウのことを理解しているんですね。
総合馬術は面白いな、逆に難しいな、と感じていることはありますか?

伊丹媛香選手

私は、実は一発勝負っていうのが結構苦手なんです。でも単独の馬場馬術競技とか障害馬術競技に比べて総合は3日間あるので戦うスパンが長くて、ひっくり返すチャンスがあるので、そういうところが私に向いているし、面白いところだと思っています。
スピードと体力が必要なクロスカントリーは、馬の良さを引き出せなかったらどうしよう、とか、そういう恐怖心にいかに自分が負けないかというメンタルのコントロールが難しいかな、と思います。

りか

総合馬術は、最後までどうなるかわからない!というところは観ている私もドキドキでした。
でも、ブユウと一緒なら、ドキドキも一緒に楽しめそうですね!

伊丹媛香選手

優勝した瞬間はとてもうれしかったです。さっきも言ったとおり、ブユウには感謝してもしきれないです。

りか

媛香選手は、どんなきっかけで馬に乗りはじめたのですか?

伊丹媛香選手

多分はじめは4歳ぐらいだったと思うんですけど、子どもが参加するキャンプみたいなところで初めて馬に乗ったのは覚えています。「行きたい行きたい!」というよりは、「行ってみたら馬がいた」みたいな(笑)。その後も、子どもが馬に乗れるようなイベントに参加していたのですが、それがとっても楽しくって。もっともっと馬に乗る回数を増やしたいなと思って、本格的に習いたいとお願いしました。

お母さん

ずっと、乗馬をやりたいと言われていたんですけど、家族の中でやっている人がいなかったので、「乗馬はお金持ちがするものだから、ご縁がないのよ」って話をして(笑)。キッズキャンプだけいろいろなところに参加させて、小学校6年間我慢してもらったのですが、やっぱりあきらめがつかないっていうことで。ホームページで情報を探して、6年生の春、体験乗馬に行きました。

りか

私の母も、最初、お金持ちがやること、って言ってました(笑)。

お母さん

ふふ。そうですね、親としてはなじみがなく、ちょっと遠い世界に感じていました。どう馬術の世界に入っていくのか全く分からない状態だったので。

りか

さっきちょっと聞いたのですが、媛香選手が乗馬をはじめたら、お母さんも一緒に乗りはじめちゃった、っていう(笑)。ほんとですか?

伊丹媛香選手

そうなんです!私の練習待っている間に乗ったりしてました(笑)。馬のお世話にも詳しくなって、馬の手入れとかも手伝ってもらえるので、すごく助かっています。

お母さん

一緒にはじめてしまいました(笑)。本人がなぜか馬に関してだけは、すごく真面目に一生懸命取り組んでいたので、待ち時間に少し学ぶつもりで。あとは送迎と体調管理だけサポートしてます。

りか

実際はじめてみて、どうでしたか?

お母さん

やっぱり馬に教えてもらうことがすごく多いですね。もともとこの子は落ち着いてはいたのですが、忍耐力とか、先を考えて行動するとか。あと担当の先生が、馬の技術だけじゃなくて、関わり方とか人としてどうあるべきか、っていうところを背中で教えてくれる方なので、そこで学ぶことはすごく多いと思います。
そもそも馬でここまで大きな大会があることも知らなかったので、小さいときからいろんな経験を積んできているお子さんたちや選手の皆さんを見ると、もう少し早くやらせてあげても良かったかな、と思います。

りか

習いはじめてメキメキ上達して、大会で2連覇してしまうなんて、媛香選手には乗馬が本当に合っていたんですね!競技として馬術をやってみたいなぁ、と思ったきっかけはあるのでしょうか?

伊丹媛香選手

乗馬クラブに通うと、皆さんクラブ内の試合がありますよね、そこに出ていた時に物足りなさをちょっと感じたというか、もっといろいろやってみたいなという気持ちがあって、トレーナーの先生に相談したんです。そうしたら当時習っていた先生が総合馬術をやっていて、ブユウを紹介してくれて、先生にあこがれたのと、ブユウと一緒にいっぱい走ってみたいなと思ってはじめた、という感じです。

りか

どんな選手になりたい、という目標などはありますか?

伊丹媛香選手

全日本の試合では、見習うべき目標となるような選手のみなさんと出会えるのですが、そんな先輩方のような、馬としっかりコミュニケーションの取れる素敵な選手になれたら良いな、と思っています。

りか

最後に、馬術の初心者や、馬術をはじめてみたいな、と思っている方たちに、一言いただけますか?

伊丹媛香選手

オリンピックなどを見ていても、やっぱり、生き物と一緒にスポーツをやる、と言う競技は馬術しかないと思うので、ぜひ挑戦してほしいです。馬と一体となって、通常では走らないようなところも、馬が出せる速いスピードで走リ抜けられる爽快感はとっても楽しいと思います!
あと、私にとってはブユウですが、パートナーである馬は家族というか、もう「絶対にとなりにいてほしい」存在なので、そういう、すごく大事な相手と一緒に勝利の瞬間を味わえるのは、他の何ものにも代えがたいうれしさがありますね。

りか

今日はありがとうございました。
あらためて、2連覇おめでとうございます!

《全日本ジュニア総合》チルドレンライダー選手権 1位佐々木真平選手&ハッピーアルシス

ふたりめは、チルドレンライダー選手権優勝の佐々木真平(ささきしんぺい)選手&ハッピーアルシス!
真平選手は、最近小学2年生の弟さんも障害馬術をはじめるなど、3兄弟で馬術に夢中な馬術一家なんだって。

りか

優勝、おめでとうございます!どんな気持ちですか?

佐々木真平選手

ありがとうございます!本当に嬉しい、のひとことです。
パートナーのハッピーアルシス……ハッピーってよんでいるんですけれども、ハッピーがいなかったら、この全日本ジュニア総合で優勝することはできなかったので、勝てたのはハッピーのおかげですね。
自分は、先週の全日本ジュニア障害馬術大会にも別の馬で出場していたので、ハッピーに乗れる期間は少なかったんですけれども、総合馬術を教わっている先生がハッピーをうまく調整してくださって、本当にすごく良い結果を出してくれました。

りか

真平選手がハッピーに乗って出場した瞬間、「わ、この馬すごくかわいい」ってみんなと盛り上がりました!たてがみがきれいに編まれていて…。ハッピーはどんな馬ですか?

佐々木真平選手

かわいいって言ってもらえて嬉しいです。たてがみは全部先生がやってくれるんですけど、衣装を変えるみたいに毎回違って、いろんな編み方があるんですよ。
性格もすごくかわいい馬です。幼いところもあるんですけど、それでも一度走り出すと、最初から最後まで全部真面目に頑張ってくれる、そんな相棒です。
どんなときも大切に走るというか、不真面目でサボるところもぜんぜんなくて、障害物も丁寧に一生懸命飛んで、馬が無理をしてでも選手を優先して頑張って走ってくれる、本当に真面目でいい子です。

りか

けなげで愛しくなってしまいますね。真平選手の真剣な気持ちが伝わるから、ハッピーもいつも全力をだしてくれるんでしょうか。
最初の種目の馬場馬術からずっと1位でしたね。3日間、いかがでしたか?

佐々木真平選手

もう本当、1日目の馬場で1位を取れたのはびっくりしました。その後も本当にずっとプレッシャーがあって、クロスカントリーも「1位をキープしないと」、と思って本当に飛ばしてて。3日目も一番緊張はしていたんですけれども、馬場に入場した瞬間、「もうこの馬なら大丈夫だな」と思えて、緊張がほぐれていい走りができました。本当に良かったです。

りか

競技を通して、ハッピーへの信頼感が、ゆるぎないものになっていったんですね。

佐々木真平選手

馬場馬術では、アリーナの隣に置いてあったクロスカントリー用の障害物をハッピーが物見しちゃって、最初はダメかな?と思ったんですが、演技の後半になったら結構リズムが良くなって、その当たりで点数を稼げたのではと思います。

りか

ハッピーの集中力を真平選手が引き出したんですね!

佐々木真平選手

クロスカントリーでは、最後の2つの障害で、踏み切る位置をかなり外してしまって危ないところだったんですけれども、ハッピーが頑張って飛んでくれて、本当にありがたいと思いました。最高の相棒です。
障害馬術でも、自分が踏み切りの位置などがたまに見えないときがあって、そういう時、僕が無理に追っちゃってバーを落とすこともよくあるんですが、今日は全部ハッピーがカバーしてくれて、いい走りができました。

りか

ウイニングランのガッツポース、格好良かったです!

佐々木真平選手

最高でした。本当に気持ちが良かったです。1位になったのもウイニングランも初めてだったので、とにかくうれしかったですね。

りか

いつから馬に乗っているんですか?ハッピーとはコンビを組んでどのくらいですか?

佐々木真平選手

乗り始めたのは、中学1年生のはじめです。ハッピーとのコンビは今3年目かな。
ハッピーと出会った時は障害を飛んでいたのですが、途中から馬場馬術もこの馬できるよと教えてもらって、そのうちに自分もどんどんその面白さにハマって総合に取り組むようになりました。自分が所属するクラブのオーナーが総合馬術のオリンピックチームの監督でもあるので。

りか

そうなんですね!どんな面白さにハマったのですか?

佐々木真平選手

やっぱりクロスカントリーは一度走ってみると面白くて仕方ないですね。最初は障害物の先とかが見えないので本当怖くて、何があるかわからないんで。ただやってみると、何て例えればいいのかな……何かアトラクションに近くて、ジェットコースターみたいな。やってみたらとても楽しくて1回やっただけでも本当にはまっちゃって。

りか

みんなそう言う!「ジェットコースターみたい」って、みんな言います(笑)。楽しそう!

佐々木真平選手

障害馬術は馬場の中にもうけられたコースで、飛んだら次、もう次、みたいな感じで忙しい部分があるんですけど、クロスカントリーでは障害を飛んだ後も次の障害まで距離があるので、考えられるのがすごくいいです。コース取りも自由で、いっぱい自分で考えられて、いろんなアイデアとかも試せる。そんなところがクロスカントリー独自の魅力で、それは楽しいなと思います。

りか

楽しそうですが、ジェットコースターは「きゃーーー」って言ってるうちに終わってしまうので、私には向いてないかもしれません…。

佐々木真平選手

あはは。初めてクロスカントリーを走ったときのことは今でも覚えているんですけど、最初は怖くてコースを何十回も下見に行きました。でもいざ走ってみたら、直前に先生に教えてもらった注意点も忘れてしまうくらい面白くて。走りきったあとも心地良くて、すぐにもう1回走ってみたい!というくらい楽しくて。
次の日学校では、友達に何度もその話をしてしまったくらいです。

りか

お話を聞いてる私もワクワクが止まりません。
馬術初心者や、総合馬術に興味を持っている方に、一言いただけますか?

佐々木真平選手

総合馬術は3種目に取り組まなければならない難しさはあるんですけど、そのうちどれか1種目失敗しても、残りの2つがうまくいけば1位になれる可能性がある。総合馬術の魅力の一つです!ぜひトライしてほしいです!

りか

今日はありがとうございました。
あらためて、優勝おめでとうございます!

標高1000m。八ヶ岳と南アルプスに囲まれた自然の中にある競技場。

山梨県北杜市小淵沢町10060-3 > Google Map

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