ゆっかーの推し★ライダー 第6回 林 伸伍選手 若手からベテランまで、馬場・障害・総合馬術の3種目で菅井友香が注目するライダーの魅力をたっぷり紹介!

ゆっかーの推し★ライダー 第6回 林 伸伍選手 若手からベテランまで、馬場・障害・総合馬術の3種目で菅井友香が注目するライダーの魅力をたっぷり紹介!

第6回 林 伸伍選手

2014、2016、2018年と全日本選手権で3度優勝するなど、美しい騎乗姿勢とその高い技術に定評がある林伸伍選手。3歳で初めて馬と出会い、その魅力にとりつかれてからは乗馬クラブに通い続け、厩舎に泊まり込むことも。まさに馬と共に成長した林選手は、2014年のアジア競技大会では馬場馬術の日本代表チームの一員として、団体銀メダル獲得に大きく貢献。昨秋から新しく2頭のパートナーとコンビを組んで東京オリンピックを目指しています。現在ドイツと日本の拠点を行き来しながら、より高いレベルの演技を目指して日々トレーニングを積まれています。かつて私のコーチもしてくださっていた、馬場馬術の大先輩である林選手に、馬術に対する熱い思いを伺いました。

菅井 友香

林「先生」改め、林選手にお話を伺うことができて本当に嬉しいです!いつも馬との息がぴったりで凄いなぁ、と思いながら演技を見ていました。まず、林選手の考える馬場馬術の魅力、面白さはどんなところでしょうか?

林 伸伍

馬場馬術は人馬が一体となって調和した姿、馬のダイナミックでエレガントなさまざまな動きに、見ている人が芸術性を感じられることが一番の魅力だと思います。

菅井 友香

自由演技では音楽を掛けながら演技しますが、その音楽はどのように選んでいるのでしょうか?

林 伸伍

今はクラシックからポップスまで本当にさまざまなジャンルの音楽が使われています。馬の雰囲気に合わせたり、選手の好みで曲を選んだりします。欅坂46の曲でも演技してみたいですね(笑)。

菅井 友香

それはぜひ! 演技のなかで、林選手が一番得意としている技はありますか?

林 伸伍

それは馬によって変わりますね!僕自身というより、馬の得意不得意という方が大きいと思います。

菅井 友香

採点競技ならではの難しさもあると思うのですが、そのあたりどのような点に気を付けていらっしゃいますか?

林 伸伍

当たり前ですが、採点競技は人間が見て採点するものです。人に見られているということを常に意識することで、乗り方に限らずいろいろなことが良くなると思っています。実際は誰も見ていなくてもいいんです(笑)、見られているという意識が大切だと思います。そのあたりはテレビに出ている菅井さんも同じなのではないでしょうか?

菅井 友香

私も試合に出たことがあるので、馬場馬術で馬を上手く操って演技するのは本当に難しいなと実感しています。上達するために一番大切なことは何でしょう?

林 伸伍

基礎を固めること、そしてたくさんの馬に乗り、自分の引き出しを増やすことだと思います。僕は30年近く数え切れないほどの馬に乗ってきましたが、今でも新しい発見の連続です。そういう意味でこの競技に終わりはないですね(笑)。

菅井 友香

この写真、馬場馬術では見かけないシーンですが、いったい何が起きたのですか?

林 伸伍

この馬はちょっと精神的に難しいところがあって演技中などでもこのようにぶっ飛ぶことがありました(笑)。ただ、能力は高くて全日本でも優勝しました!馬はみんな性格も違うし、そこが馬術の難しいところでもありますよね。

菅井 友香

会心の演技ができたときはどんな気持ちになりますか?

林 伸伍

達成感で満たされます!特に、最高難度のグランプリ課目は長くて難しい技の連続で息つく暇もなく、終わる頃には人馬ともにヘトヘトになるので、余計に達成感がありますね。

菅井 友香

ここからは少し視点を変えて、林選手ご自身について伺います。林選手は大学の馬術部で活躍されたあと、卒業してすぐに馬場馬術で世界を目指すと決めたと伺っていますが、そのときはどんな思いだったのですか?

林 伸伍

子供の頃からオリンピックなど世界で活躍する選手になることは夢でした。ただ全く全国レベルの成績もなかったので、そんなことは夢の夢でした。ようやく大学馬術部で全日本レベルの成績を残すことができてきて、海外でのトレーニングをサポートしてくださるという方とも出会えたので、卒業する頃には世界を目指してもいいのかなと思うようになりました。

菅井 友香

その後ドイツを拠点に活動されています。ドイツではさまざまなことを学ばれたと思いますが、なかでも一番印象に残っていることを教えてください。

林 伸伍

まずは何より馬が身近な存在ということですね。馬が生活の一部になっているという方がたくさんいます。そして馬術競技が本当に人気があることも競技会を見て感じました。

菅井 友香

それでは、パーソナルな質問も1つ。お知り合いの選手にラーメンを作ってふるまったら、「絶品」「プロ級」と大好評だったと伺いました(笑)。料理は普段からよくされるのですか?

林 伸伍

料理は普段からしています!夕食はクラブに住んでいる全員分作っています。もう仕事の一部ですね(笑)。ジュニアの選手達も手伝いながら料理を覚えていくので一石二鳥ですね。

菅井 友香

次は、愛馬について。東京オリンピックに向けて、15歳のスコラリ4と11歳のフェルナンドとコンビを組まれていますが、愛馬2頭それぞれについて、どんな馬なのか教えてください!

林 伸伍

スコラリは普段はボーッとしてずっと上を見ています(笑)。ただ試合になるとスイッチが入ってキレキレの動きになりますね。オンとオフがはっきりした馬だと思います。そして環境の変化にも動じず良く食べます。長所の1つですね。反対にフェルナンドは試合経験が少ないこともあって、環境の変化でナーバスになってしまうことがあります。餌もあまり食べなくなってしまってパワー不足になることもあります。経験を積んでその辺が解消していけば素晴らしい馬になると思っています。


スコラリ4


フェルナンド

菅井 友香

愛馬たちとのコミュニケーションは取れてきましたか?

林 伸伍

スコラリとはついこの前、デンマークの大会で良い成績が取れました。コンビネーションが深まってきたと感じています。フェルナンドはまだ安定しないところがあるので、もう少し時間が必要ですね。

菅井 友香

東京オリンピックを目指していらっしゃいますが、どのようなトレーニングや準備をされていますか?また、東京オリンピックに懸ける思いをお聞かせください。

林 伸伍

東京オリンピックはもちろん大きな目標なのですが、そこをあまり意識しすぎず馬と自分との関係性を高めて、馬をしっかりケアしながら目の前の試合の一つ一つしっかりと成績を残していくことを意識しています。その先にオリンピックが見えてくると思っています。

菅井 友香

林選手はTwitterやインスタグラムなどSNSで積極的に馬術のことや愛馬のことを映像も交えて発信されています。練習や試合でお忙しいなか、あれだけ深い内容の情報を発信し続けるのは大変だと思うのですが、それをされているのはどんな思いからですか?

林 伸伍

馬術を見にきてくださった方に「つまらない」と思われるのがすごく嫌なんです。なので僕ができるのは微々たることですが、少しでも馬術を理解して魅力を見つけてもらいたいなという思いでやっています。

菅井 友香

東京オリンピックをきっかけに、馬術は今以上にもっと注目を集めると思います。馬術をメジャーにするという目標のために、試合以外で取り組んでいきたいことはありますか?

林 伸伍

見ている人にとっても出場している人にとっても面白い競技会をすることが、僕の別の目標の1つです。何年か前にそのコンセプトで自分のクラブで競技会をやったことがあり、とても楽しんでもらえました。そういう競技会をもっと増やしていきたいです。

菅井 友香

林選手は乗馬クラブのインストラクターも長年努めていらっしゃいますが、教えることで選手としての発見などありますでしょうか?

林 伸伍

教えているなかで新たな発見をすることは多々あります。また、教えるということは自らがしっかりと勉強しなければいけません。そういう意味でも選手としての自分にとって良い影響を与えていると思います。

菅井 友香

メディアでオリンピックに向けての特集や報道などを見て、これから馬術を始めてみようかな、と思っている方に向けて何かアドバイスがありましたら教えてください。

林 伸伍

まずは難しいことを考えずに馬と触れ合い、乗ってみてもらいたいです。きっとはまっちゃうだろうし、一度はまると抜け出せないのが馬術だと思います(笑)。

菅井 友香

最後に東京オリンピックへ向けての意気込みと、ファンの皆さまへのメッセージをお願いいたします。

林 伸伍

自分の国で行われるオリンピックに挑戦できるということはとても幸せなことです。1年延期となりましたが、再出発に向けてしっかりと日々準備をして、代表になって良い成績を残したいと思っています!東京オリンピック後も含め、これからも応援よろしくお願いします!